この度、『ザ・ディープ・ハウス』公開ヒットを記念して、9月24日(土)に新宿シネマカリテにてスペシャルトークショー第2弾の開催が決定いたしました!12月に、新作『戦慄のリンク』 劇場公開を控えているJホラーのパイオニアである鶴田法男監督が登壇。聞き手には、日常に潜む不安や、恐怖をジャンル映画を通して表現する作風で国内外で注目を集める中西 舞を迎え “恐怖の水中屋敷”極限の酸欠ホラー・ムービー『ザ・ディープ・ハウス』を語るトークショーです!
日時:9月24日(土) 18:45の回 (上映前の18:45~トークショー開始予定)
場所:新宿シネマカリテ https://qualite.musashino-k.jp/news/17840/
ゲスト:鶴田法男 (映画監督・小説家)
聞き手:中西 舞 (フィルムメーカー・映画キュレーター)
■鶴田法男 (映画監督・小説家)
東京都生まれ。大学卒業後、映画配給会社などに勤務するが脱サラ。1991年に自ら企画した同名コミックのビデオ映画『ほんとにあった怖い話』でプロ監督デビュー。本作が後に世界を席巻するJホラー『リング』(98)、『回路』(01)、『THE JUON/呪怨』(04)などに多大な影響を与え、「Jホラーの父」、「Jホラーの先駆者」と呼ばれる。2010年より「三鷹コミュニティシネマ映画祭」にスーパーバイザーとして協力。2020年に中国映画に招かれて監督した『戦慄のリンク』(原題:网络凶铃)が、2022年12月23日(金)より、新宿シネマカリテほか全国ロードショー。
■中西 舞 (フィルムメーカー・映画キュレーター)
東京生まれ。幼少期と青年期を海外で過ごす。
映画配給会社に勤務しながら国内外の映画プロジェクトに参加し制作の経験を積む。韓国・釜山で撮影した初監督作品『HANA』(2018)を機に釜山フィルムコミッションのサポートの下、韓国で映画レジデンシーに参加。現地にて国際共同製作映画の企画開発を行なった。全編台湾で撮影した台湾・日本合作『喰之女』(2021)は高雄国際映画祭を始め、プチョン国際ファンタスティック映画祭などに入選。第52回タンペレ映画祭ではスペシャル・メンションを受賞した。その他、ジャンル映画に挑む女性監督の活躍の場を広げたい、という思いから2013年に『東京スクリーム・クイーン』映画祭を立ち上げ、日本だけでなく海外での世界の女性監督によるジャンル映画の上映イベントも企画・プロデュースしている。現在、韓国で撮影した新作が待機中。
『ザ・ディープ・ハウス』公開を記念して、9月17日(土)に新宿シネマカリテにてスペシャルトークショーの開催が決定いたしました! “恐怖の仕掛け人”として、日本のNo.1のお化け屋敷プロデューサー五味弘文氏が登壇。『屋敷女』で世界の度肝を抜いた、ジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ監督コンビが仕掛けた“恐怖の水中屋敷”、二人のダイバーを襲う極限の酸欠ホラー・ムービー『ザ・ディープ・ハウス』を語ります。お化け屋敷好きにはたまらない“恐怖の仕掛け”その核心に迫った必見のトークショーです!!
日時:9月17日(土) 19:30の回 (上映前の19:30~トークショー開始予定)
場所:新宿シネマカリテ https://qualite.musashino-k.jp/
ゲスト:五味弘文 (お化け屋敷プロデューサー)
聞き手:中西 舞 (フィルムメーカー・映画キュレーター)
■五味弘文
(お化け屋敷プロデューサー)
1992年、後楽園ゆうえんち(現 東京ドームシティ アトラクションズ)において、『麿赤児のパノラマ怪奇館』を手がけ、以降、約30年間にわたりお化け屋敷を制作。その数は、100本を越える。
お化け屋敷に“キャスト”を復活させることで、本来の楽しみを蘇らせ、さらに、 “ストーリー”と“ミッション”という要素を持ち込むことによって、大人が楽しめるエンターテインメントに生まれ変わらせた。
代表作に、赤ん坊を抱いて歩くお化け屋敷『パノラマ怪奇館〜赤ん坊地獄』、本物の廃屋を移築した『東京近郊A市〜呪われた家』、幽霊の髪の毛を梳かして進む『恐怖の黒髪屋敷』、靴を脱いで体験する『足刈りの家』、死者と指切りをしてくる『ゆびきりの家』などがある。
2018年には、東京ドームシティ アトラクションズに、常設のお化け屋敷「怨霊座敷」をオープン。
2022年は、『ボイス・デート』(東京ドームシティ アトラクションズ)、『心斎橋ゾンビパニック~ゾンビだらけのサマーフェア~』(心斎橋 PARCO)、『呪われた夜の遊園地 赫い風船の女』(ひらかたパーク)、『呪いの生け贄くじ』(法多山尊永寺)、等、続々お化け屋敷をプロデュース。また、リアル脱出ゲームとのコラボ『呪われた廃工場からの脱出』(東京ミステリーサーカス)や音声コンテンツ『密閉シアター〜いるかもしれない〜』なども制作。9月10日(土)からは、東映太秦映画村史上最恐のお化け屋敷『呪われの人形』がオープンする。
著書に、『人はなぜ恐怖するのか?』(メディアファクトリー)、『お化け屋敷になぜ人は並ぶのか〜「恐怖」で集客するビジネスの企画発想』(角川oneテーマ21)、小説『憑き歯〜密七号の家』(幻冬舎文庫)、小説『恐怖ツナガル 呪い髪の女』(学研プラス)がある。
株式会社オフィスバーン 代表取締役 https://officeburn.jp
■中西 舞
(フィルムメーカー・映画キュレーター)
東京生まれ。幼少期と青年期を海外で過ごす。
映画配給会社に勤務しながら国内外の映画プロジェクトに参加し制作の経験を積む。韓国・釜山で撮影した初監督作品『HANA』(2018)を機に釜山フィルムコミッションのサポートの下、韓国で映画レジデンシーに参加。現地にて国際共同製作映画の企画開発を行なった。全編台湾で撮影した台湾・日本合作『喰之女』(2021)は高雄国際映画祭を始め、プチョン国際ファンタスティック映画祭などに入選。第52回タンペレ映画祭ではスペシャル・メンションを受賞した。その他、ジャンル映画に挑む女性監督の活躍の場を広げたい、という思いから2013年に『東京スクリーム・クイーン』映画祭を立ち上げ、日本だけでなく海外での世界の女性監督によるジャンル映画の上映イベントも企画・プロデュースしている。現在、韓国で撮影した新作が待機中。
この度、ジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ監督『屋敷女』の8月12日(金)Blu-ray発売と『ザ・ディープ・ハウス』の9月16日(金)公開を記念して、二本立て試写会イベント開催が決定いたしました!当日は、SPゲストとして叶井俊太郎氏(映画プロデューサー)と角由紀子さん(オカルト編集者)によるトークショーも行います。下記、応募要項をご確認の上、どしどしご応募ください!
■日時:9月9日(金)18:00開場/18:20開演~22:00終演(予定)※トークショー+2作品上映
■場所:都内某所
■ゲスト:叶井俊太郎氏(映画プロデューサー)、角由紀子さん(オカルト編集者)
【応募要項】
■賞品内容:『屋敷女 ノーカット完全版』『ザ・ディープ・ハウス』二本立て試写会 30組60名様 ご招待
さらにWチャンス!! 外れてしまっても抽選で劇場鑑賞券を3組6名様へプレゼント!
■応募期間:応募受付は終了致しました。
■応募方法:
①Twitterから『ザ・ディープ・ハウス』キャンペーン公式アカウント「@the_deep_house」をフォローしてください。
※ご自身のTwitterアカウントは必ず「公開」に設定してください。
②該当のツイートをリツイートしてください。
③当選された方には、後日Twitterのダイレクトメッセージにて当選通知いたします。
※当選後に公式アカウント(@the_deep_house)のフォローを解除すると当選連絡ができなくなりますのでご注意ください。
※当選の権利及びプレゼントの第三者への譲渡・換金・転売その他権利の譲渡等は一切できません。また、オークションなどへの出品もご遠慮ください。
『屋敷女』『レザーフェイス-悪魔のいけにえ』の鬼才ジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ監督が贈る衝撃作!
動画の登録者アップを狙い湖に沈んだ屋敷の撮影に挑むYouTuberの若い2人の男女。屋敷に秘められた秘密とは?水中で彼らを待ち受けるものとは?沈められた屋敷で想像を絶する恐怖が展開する。
その怖さは、米国のホラー映画制作会社の名門ブラムハウス・プロダクションズも認めている。水中にセットを組んで撮影されたリアルな描写が怖さを倍増!
製作総指揮は、『ワイルド・スピード』最新作の監督に抜擢されたルイ・レテリエ。
謎の屋敷に挑む若い男女役には、ミック・ジャガーの息子ジェームズ・ジャガーと世界で活躍するトップモデルのカミーユ・ロウ。
世界各地の廃墟などをアップし登録者数を増やしているYouTuberカップルのティナ(カミーユ・ロウ)とベン(ジェームズ・ジャガー)は、ある湖に沈められた曰くつきの屋敷を撮影が目的でフランスの郊外にやって来た。
湖畔で知り合ったピエール(エリック・サヴァン)から場所を案内してもらい水面下に潜ると不気味な屋敷が彼らを待っていた。
屋敷内を探索、撮影していると不思議な現象や幻影が次々と襲って来る。危険な雰囲気を察知し酸素量も少なくなり屋敷から出ようとするが、いつの間にか出口が塞がれていた。パニックとなる彼らの目の前に、想像を絶する恐怖が!!!
ジェームズ・ジャガーベン役James Jagger
1985年8月28日、アメリカ・ニューヨーク州生まれ
高校時代から本格的に演技を学び、「Vivaldi,The Red Priest」をはじめ巨匠マーティン・スコセッシとジェームズの父親であるミック・ジャガーがタッグを組んだ「VINYL‐ヴァイナル‐ Sex,Drugs,Rock'n'Roll&NY」(2016)をはじめ、『アウトポスト』(2020)、『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』(2018)などの数々の映画やドラマに出演。アクターだけに留まらずミュージシャンとしても活躍しマルチな才能を発揮している。
カミーユ・ロウティナ役Camille Rowe
1990年1月7日、フランス・パリ生まれ
18歳の時に、スカウトされモデルデビュー、「ルイ・ヴィトン」など一流雑誌の表紙を飾り、一躍脚光を浴びモデルとして活躍。ヴィンセント・カッセル主演の「Notre Jour Viendra」(2010)に出演し念願だった映画デビューを飾る。「Now Is Everything」(2019)、「Hosea」(2019)、「インベージョン」(2021)、「Cosmic Dawn」(2022)など出演作品が続き女優としても活躍している。
監督ジュリアン・モーリー /
アレクサンドル・バスティロ
Julien Maury & Alexandre Bustillo
ジュリアン・モーリー: 1978年、フランス・パリ生まれ
アレクサンドル・バスティロ:1975年、フランス・パリ生まれ
1980年代の小学生時代にホラー映画に魅了された2人は、20代の頃に共通の友人を通じて出会い、すぐさま意気投合。
ベアトリス・ダル主演のエクストリームな長編デビュー作『屋敷女』(2007)は、カンヌ国際映画祭批評家週間でのワールドプレミアを皮切りに、世界各国の映画祭で上映されセンセーションを巻き起こす。
その後、ダリオ・アルジェントやジョン・カーペンターからの影響が感じられるリリカルなダーク・ファンタジー『リヴィッド』(2011)を発表。2014年には3人の少年たちの悪夢の夏休みを描いた『恐怖ノ白魔神』と、オムニバスホラー『ABC・オブ・デス2』の一編を監督(両作ともベアトリス・ダルが出演)。長編4作目となる『悪魔のいけにえ』の前日譚『レザーフェイス』(2017)では、遂にハリウッド・デビューを果たす。
フランスに帰還した2人はモロッコの伝説的な邪悪な精霊を題材にしたホラー『呪術召喚/カンディシャ』(2020)、『ザ・ディープ・ハウス』(2021)を立て続けに発表。
また2人は、フレンチホラー・ムーブメントのドキュメンタリー映画『BEYOND BLOOD』(2018)にメインキャストとして出演している。
『ザ・ディープ・ハウス』は、「枯れた技術の水平思考」から成り立っているホラー映画だ。つまり本作の要素は使い古されたホラー映画プロットの寄せ集めなのだ。しかし、中古プロットの見事な組み合わせにより、あらゆる人々が恐怖心を抱く作品に仕上がっている。
YouTuberは再生回数が命である。再生されなければ、どんなに良いコンテンツであっても収益に繋がらない。しかしYouTuberの中には取らぬ狸の皮算用で先行投資をしてしまう輩もいる。超テキトーな歴史オタクである主人公の恋人ベンの様子をみたところ、おそらく彼は先行投資派だ。いくら面白廃墟探索チャンネルでも高性能高価格の水中ドローンや大量のGoPro等の機材代や世界各国を飛び回る旅費を稼ぎだせるとは思えない。どう考えても、良くて5万回程度の再生数ではやっていけない。それ故、パートナーであるティナの寝起き顔を撮ったり、原っぱで用を足している姿を盗撮したり、廃墟を我が物顔で闊歩したりとやりたい放題。一歩間違えば、迷惑系YouTuberである。全ては再生数のため、そのためならたとえ火の中水の中だ。YouTuberはコケたら元本を回収出来ない、ハイリスクな職業なのだ。『グレイヴ・エンカウンターズ』(2011)や『コンジアム』(2018)で無茶をしたYouTuberの末路を思い出して欲しい。
ヒルビリーホラーやフォークホラーといったホラー映画で多用されてきたプロットだが、ホラー映画に登場する素っ気ない町並みや愛想ない住民には本当にうんざりさせられる。「また、お前らか!」と。本作で2人が訪れるフランス南西部の街も、なにやら暗い影がある。いつ誘拐され『ホステル』(2004)みたいに金持ちのおもちゃにされてもおかしくないし、下手したら『ウィッカーマン』(1973)のように変な儀式の生贄になるかもしれない。幸い本作の「地上の街」では何も起きないが。
80年代から黙々とホラー映画を見続けたジュリアン・モーリー / アレクサンドル・バスティロの両監督は手を抜くことなく、古き良き映画で良く登場する「厭な」雰囲気が漂う街を見事に描いている。
さらに異国の地とあれば、現地語が分からない怖さも加わる。作中、イギリス人のベンは謎の男ピエールと恋人のティナがフランス語で会話している中「いくら払えば、字幕を付けてくれるんだい?」と嫌みったらしいキングズイングリッシュで突っ込んでいる。(彼の親譲りのイギリス発音には是非、聞き耳を立ててくれたまえよ)
『回転』(1961)、『悪魔の棲む家』(1979)、『死霊館』(2013)等、例を挙げればいくらでもある幽霊屋敷映画。使い古されすぎて出がらしのようにみえるネタだが、時代ごとに違った作りになるのが楽しい。『回転』は心理描写、『悪魔の棲む家』はド派手な特殊効果。『死霊館』はジャンプスケアである。『ザ・ディープ・ハウス』は、YouTuber無理ゲー系とでも言おうか、前出のPoV幽霊屋敷映画『グレイブ・エンカウンターズ』の系譜になるだろう。「酔う」だの「肝心なところを見せない」だのと批判を受けがちなPoV形式だが、本作のように、水中を漂う主観視点と「霊的存在を敢えて隠さない」やり方が一番怖い幽霊屋敷映画なのかもしれない。
人間は水の中で生きることができない、よって水に潜ること自体が恐怖となる。窒息、水圧、潜水病、サメ……は違うか。『リバイアサン」(1989)や『ザ・デプス』(1989)や『サンクタム』(2011)、『アンダーウォーター』(2020)あたりは、こうした“水中が生み出す障害”を利用して効果的な演出を行っている。『ザ・デプス』における非減圧浮上描写や『アンダーウォーター』の水圧死など、水中での恐怖表現は強烈で豪快な描写がよくみられる。
ところが『ザ・ディープ・ハウス』の水中恐怖表現は地味だ。しかし、ものすごく怖い。見逃されがちな水の特性、“抵抗”と“浮力”に目を付けたのだ。ご存じのとおり水中では、水の抵抗で早く動くことができない。ゆえに何かに追いかけられたとしても思うように逃げられない。ただただ、ゆっくりと前方に足を踏み出すしか方法はない。しかも『ザ・ディープ・ハウス』の“何か”は怪物ではなく、悪意を持った人間なので、彼らもゆっくりと追いかけてくる。このジワジワと迫る恐怖。さらに浮力によりユラユラ揺らめく髪の毛や服、素足の異様さたるや夢に出そうだ。皆さんは「走って逃げたいのに逃げられない」という夢をみたことはないだろうか?まさにアレを映画でやってのけたのだ。さらに酸素ボンベ残量も気にしなくてはいけないというタイムリミット付きだ。まさに悪夢の再現である。
大雑把だが『ザ・ディープ・ハウス』で使われているプロットを列挙した。いずれもホラー映画としては新しくはない。だが使い古された表現でも効果的に利用すれば、『ザ・ディープ・ハウス』のように「感覚的には新しい映画」を作ることができるのだ。長編デビュー作『屋敷女』(2007)のベアトリアス・ダルの狂いっぷりにしろ、前作の『呪術召喚/カンディシャ』(2020)の血で召喚する悪魔にしろ、ジュリアンとバスティロは既視感のあるプロットを変に組み合わせた映画を作り続けている。それはただの引用ではなく、彼らの言葉を借りるなら「自分が面白いと思える、金を払っても良いと思える・・・そんな作品をずっと作りたい」という思いの結晶である。
ゆえに『屋敷女』では大女優ベアトリアス・ダルに無茶苦茶な芝居をさせたし、今回の全編水中撮影も実現できたのだ。余談だが、水中に登場する子役もダイバー経験者を捜し当てて演技指導をしたそうだ。
普段から「私たちとホラーは永遠に繋がり続ける」と口にしている2人。次はどんな“無茶”を見せてくれるのか楽しみだ。